春の七草(the seven herbs of spring)

セリ、ナズナ(ペンペン草)、ゴギョウ(ハハコグサ)、ハコベラ(ハコベ)、ホトケノザ(タビラコ)、スズナ(カブ)、スズシロ(ダイコン)

春の七草は、お正月にスーパー等で並びますが、たいていは春頃に花が咲き、寒い冬にすべての草を見つけることは難しいものです。お正月頃になると、観賞用の寄せ植えは見かけます。

春の七草

「病気をしない じょうぶな からだをつくる」という願いを込めて、1月7日(人日の節句)の朝に7種類の野菜(七草)を入れた おかゆ(七草がゆ)を食べる風習があります。ごちそうが続いたお正月に、胃腸を休めるという意味もあります。

※1月から春にかけ、植物園等では、七草を紹介しているところもあります(このページの写真の一部は京都府立植物園と城南宮より)


セリ

一か所に せり合うように生えることからセリ。7~8月の夏ごろに白い花が咲きます。免疫力を高めるカロテン、ビタミンC、鉄分等が多く含まれます。(セリ科)


ナズナ(ペンペン草)

春に白い花が咲き、三角形の実をつけます。ビタミン類やカリウム、鉄、亜鉛などのミネラルが豊富で、貧血や止血効果があると言われます。

中国では、花が咲く前の冬の葉をスープや炒め物にして食べていたそうで、漢方薬としても利用されています。(アブラナ科)


ゴギョウ(ハハコグサ)

やわらかい淡い緑色の葉。春に黄色い小さな花が咲きます。せきやたんを止め、尿の出をよくします。風邪の予防にも。(キク科)


ハコベラ(ハコベ)

春に小さい白い花が咲きます。利尿作用のあるサポニン、目に良いビタミンAなど。タンパク質も豊富で、意外と栄養があり、昔は食用でした。(ナデシコ科)


ホトケノザ(タビラコ)

春にたんぽぽに似た黄色い小花を咲かせます。食物繊維が豊富。生薬としては、胃薬の成分になります(キク科)

※ホトケノザを探すときの注意

七草ではないホトケノザ
七草ではないホトケノザ

※ 春の七草の「ホトケノザ(食用)」は、黄色の小花が咲く「コオニタビラコ」。

春によくみかけるピンクの小花の「ホトケノザ(シソ科)」は 食用ではないので、探されるときはお気をつけください。



スズナ(カブ)

スズナはカブの昔の呼び名。アミラーゼなどによる胃もたれや胃腸不良の改善。美肌効果。花は3~5月頃に開花し、花も食べられます。(アブラナ科)


スズシロ(ダイコン)

スズシロはダイコンの昔の呼び名。スズナと同様、胃腸の調子の改善(消化促進)、便秘の解消、殺菌作用など。

春頃に、小さな4枚の花を咲かせます。(アブラナ科)

↑ハツカダイコンも冬に収穫できます。



※このページは、京都府立植物園の説明、書籍「野の花さんぽ図鑑(築地書館)」、「12か月の絵図鑑(PHP)」、「植物(小学館)」、「大切にしたい、にっぽんの暮らし。(サンクチュアリ出版)」、新聞記事「今さら聞けないPLUS 七草がゆ(朝日新聞日曜版の記事)」等を参考にしています。


※ 下記は別ページがあります

秋の七草
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七草がゆの作り方
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お正月の実
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早春の花
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四季の花と実トップ
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